『リリーのすべて』は、第88回アカデミー助演女優賞受賞のゲルダ役のアリシアヴィキャンデルとエディレッドメインの繊細な演技に注目が集まりました。わたしは、作品を支える助演キャストたちの魅力こそ、この映画の高評価に力添えしていると感じています。とてもシビアな題材ですが、奥深く、美しい作品に仕上がっています。儚げな印象のベンウィショー演じるヘンリクや、無条件の愛を捧げるマティアス演じるハンスは、私が特に注目している大好きな俳優たちです。作品に登場するワンちゃんにも注目です!
ベンウィショー演じるヘンリク役の魅力とは?
リリー(エディ)がパリで印象的な出会いを果たすのが、ヘンリク。控えめな演技は、ベンウィショーならでは持ち味がでていますね。出番は必ずしも多くはないのですが、リリーが「自分とは何者か」を模索しているときに出会う重要な登場人物なのです。
ヘンリクがリリーに惹かれたところ、何を感じたか、それらすべてを言葉にしなくても、視線や表情、リリーとの距離感の詰め方などの細部にわたる演技で、難しい役柄を自然体で演じていました。
そんな役柄を自然に演じられるのが、ベンウィショーの魅力です。ベンは、自らがゲイであることを公言しています。プライベートを公にすることにとても慎重で、公言するのに時間がかかったと語っています。プライバシーを守りたい思いや、ゲイであることが俳優としてのキャリアに影響するかもしれない気持ちがそうさせたようです。そんな心の葛藤も、ヘンリク役の演技に活かされていますね。
二人の繊細なキスシーンがあるんです。二人のお互いへの深いリスペクトと強い信頼関係が、あの印象的なシーンを生み出していたんですね。
エディが、ベンについて語っています。
「僕はベンのことが大好物(大好き)なんだ。 彼の出演する舞台は全部観に行っているし、大ファンだよ」
「ベンが相手だったからこそ、完全にリラックスして、身を委ねて演じることができた」
引用元:シネマトゥデイ2016年エディ来日インタビュー記事より
一方、ベンウィショーも、エディについて”誠実さと努力をもって、できる限りリリーを体現していたよ”と語っています。動きや立ち方まで細部にこだわっていたエディの演技についても高く評価し、その役作りを称賛していたそうです。
お互いを一人の表現者としてリスペクトし合っているからこそ、あの美しい共演シーンが生まれたんですよね。二人ともイギリス映画界を代表する俳優のひとりとして、今後も目が離せません。
ベンウィショーの魅力をさらに知りたい方はこちらの記事を訪問ください。


ハンスは実在したのか?ゲルダとの関係は?俳優マティアスの魅力
映画を見て、「ハンスという男性は実在したのか?」と疑問に思った人もいたでしょうね。結論からいうと、ハンスは、作られたキャラクターです。役柄は、画商で、アイナー(リリー)の幼なじみです。ゲルダからアイナーの秘密(リリーのこと)を打ち明けられて、医師を紹介したり、二人の相談にのったりと献身的にサポートします。気高く優しい、大人の余裕を感じさせる佇まいが、圧倒的な存在感を放っていました。
「こんな奇特な人っているのか」と思うくらいです。リリーにしろ、ゲルダにしろ、強い個性の持ち主の2人の間で、落ち着いた重厚感ある存在は異彩を放っていました。
ハンスとゲルダの切ない関係性
ハンスは、苦しむゲルダを心から愛していました。一方のゲルダは、女性へと変わっていく夫(リリー)を愛しています。一時的に寂しさからハンスに心を許すことはあっても、一線は越えませんでした。やがて、二人は「リリーの理解者同志」となっていくのです。
ネットで話題?!俳優マティアススーナールツはプーチン大統領にそっくり!
ハンスを演じたのは、ベルギー出身のマティアススーナールツです。ネットでは、プーチン大統領に似ていると話題になっていました。たしかに見比べると似ています!でも目の色が違いますね。マティアスは撮影当時まだ30代後半!波乱万丈の人生を歩んできたマティアスだから、深みのある大人感を醸し出せたのですね。
マティアスについての深堀り記事はこちらからどうぞ。

緊張感を和らげる名脇役!犬、ヴァップの可愛すぎる裏話
もう一人(一匹?)、『リリーのすべて』を語るうえで忘れてはならない大切な脇役を紹介したいです。リリーとゲルダが飼っていたかわいい、気品あるジャックラッセルテリアです。二人の暮らしに寄り添い、自宅でのシーンに登場していて、かわいかったです。作中の癒しポイントでした。
役名は、「ヴァップ(Hvap)」です。アイナーからリリーへのかわっていく変化を見守っていた重要な観客です。張りつめていくリリーとゲルダの関係に、温かい雰囲気を醸し出していました。
ヴァップを演じたのは、「Pixie(ピクシー)」というジャックラッセルテリア、メスのタレント犬です。とても愛嬌があって、フレンドリーな性格。緊張感漂うシーンでもしっぽフリフリだったようで、監督やドックトレーナーに注意されていたというエピソードがあります。
どっしりと重いテーマの作品だからこそ、ふと目を奪われる愛らしい犬の存在は、二人の生活がリアルであると感じられて、ホッとする印象を与えてくれますね。
今回は、映画『リリーのすべて』を支える魅力的な助演キャストを深堀しました。映画は、史実に基づいてはいるものの、創作された作品です。実在したリリー・エルベの壮絶な人生や史実と映画の違いについては、以下の実話記事で解説しています。ご興味ある方はあわせて読んでみてくださいね。

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